ニュージーランドのシャルドネ樽熟成“ジン”
- マレ - Maray -
- 2018年10月22日
- 読了時間: 3分
谷間の新しく小さい蒸溜所が送り出す、唯一無二のフルーティーでまろやかなジン

ニュージーランドの南島、クイーンズタウン(Queenstown)とワナカ(Wanaka)の間に位置する、山脈の谷間のカルドローナ(Cardrona)という小さな小さな町。そこに、カルドローナ蒸留所(Cardrona Distillery)という小さく新しい蒸溜所が有ります。FB, Instagram.
私が訪れた2018年8月2日まさにその日に300本限定で産声を上げた、一つのお酒が有ります。「ソース ピュア カルドローナ バレルエージド ジン」(Source Pure Cardrona Barrel Aged Gin.)
このお酒を最も特徴づけているのは、写真からも分かる通りの、色。樽熟成ジンは私の知る限りでは非常に少ない。さらにこれは、「シャルドネの白ワインを寝かせたオーク樽で、寝かせたジン」。こんなの他に有り得るのでしょうか? 私が調べた限り、日本語検索ではヒットせず。恐らく日本にはそもそも入っていない。英語で調べてようやくいくつか。
ブランデーのような、ウィスキーのような、ジンのような
味わいは本当に斬新。
酒に詳しくなく表現する方法が限られるのがもどかしいのですが、ブランデーの熟成されたフルーティさと、ウィスキーの樽香に、これまた丸くなったジンのハーブ香。それらが渾然一体となっていきすーっと入っていく感覚。後味もどの成分が強いなどなく、バランスよく残る。
元となったジン自体は比較的バランス良く軽やかで若い味わいなのですが、もはやその原型がよく分からないレベルに様々な要素が絡み合っています。
ニュージーランのこの地だからこそ可能な味わい
ここカルドローナは、三方を山脈に囲まれた山間の谷にあたります。恐らくその地形のため周辺のエリアよりも一段と乾燥しがちな地域なようで、8月の冬というのを含めても非常に植生が少ない。高い樹木はほぼ無く、低草もちらほらある程度。かなり荒々しい地形です。
最初の写真が蒸溜所裏の小川。ここの水を使っているそう。山を上っていくとスキーリゾートがあるような地域。 しかし一方でもう少し南北に行けば、豊かな水をたたえた湖と冬でも緑溢れる光景が広がっており、それでもほどよく乾燥した気候から、世界三大ピノ・ノワールにも数えられるセントラル・オタゴであり有名なワイン醸造所リッポン(Rippon)なども存在します。

そうした「ワインに適した地」と「スコットランドのような蒸留酒に適した地」が直ぐ近くで隣り合っているからこそ、このような特別なお酒が生まれたのだろうと想像します。
恐らく、日本人で初めて購入し、日本で自分だけが持っているこのジン
300本限定で、そもそもニュージーランドとオーストラリアにしか卸していない日本で知られてもいない蒸溜所のお酒。冗談抜きに、恐らく日本では自分だけがこのボトルを持っていると思います。酒好きな友人のためにストック用に2本まだ新品もあり。 蒸溜所のHPを見ても今はラインナップから外れているので、次の販売がいつになるのかはさっぱり不明。
「飲んでみたい!」と興味の有る方はぜひご一報を。
*ニュージーランド自体もとても素晴らしい国でした。それについても今度取り上げたい。

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